2010/09/18/10:30をもって、みちのく怪談コンテストの応募が締め切られました。
あたし作品はこの三作品。
投稿しなかったボツ作品の中から、
「あー、これ、本当に、どこにも出せないわ」
という珠玉の(?)作品を公開。
二本目はこれ。(一本目はこちら。)
イタコ/いわん
「イタコなんてどうせインチキだろ」そう思っていた。
青森県恐山で私が会ったそのイタコは、掌に乗りそうなくらい小さく背を丸めたおばあさんだった。
そのイタコは言った。「で、どんな人かね」
「……歌手ですよ。この人」と、手に持っていたCDを渡した。
「made in heaven」フレディ・マーキュリーがいたQueenのラスト・アルバムだ。
「ほおー、外人さんかね」
「外人を呼ぶのは無理ですか?」口元に嘲笑が浮かんだ。まぁ、そんなもんだろう。
「ま、やってみないことにはわからんね」
と、イタコはどかっとその場に座り、ブツブツと祝詞らしきものをつぶやきだした。
私は、一緒に来た友人と目を合わせ、肩をすくめる。
(どうせ、「ハーイ、ワタシがクイーンです!」とか言うだけなんだろうなぁ……)
「……where? where? who is here?」
突然、老婆の口から、流暢な英語が聞こえてきた。それも男性。そしてこの声は……
「Thank you for your calling. I'm freddie. I'm glad to see you. I present my song for you」
イタコは朗々と歌い始めた。身体の小ささなど微塵も感じられない堂々とした立ち姿で。
I was born to love you.
this every single beat of my heart.
yes, I was born to care of you.
every single day of my life.
あのフレディがいた。確かにいた。確かにフレディがそこにはいた。
私は、イタコを目の前にして、涙を流していた。涙はいつまでも流れていた。
どうだ、これ。「どこにも出せない」だろ、頭悪すぎて。
個人的には好きなんだけどなぁ。「フレディの声で朗々と歌っているイタコのおばあちゃん」のビジョンが飛び込んできたので、それをそのまま書いただけなんですが。
「怪談」としてはつまらないのでボツに。英文(歌詞)というか、「800字以内」というルール下における、「半角英字」のカウントもよくわからなかったしね。これ、「アルファベットは大小に関わらず1文字」で換算すると、800字に納まらない話なのよ。でも、英語の部分、削る場所がなくてねぇ(´・ω・`)「英詞」の使い方は引用の範囲内だと思うんだけれど。
- アーティスト: Queen
- 出版社/メーカー: Hollywood Records
- 発売日: 1995/11/07
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (40件) を見る