異なる量子暗号通信の相互接続に成功、実用化へ一歩前進
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060512/237763/
ここだけを読んで仕組みを判断しますが、これって、「本文」の暗号化に使う「鍵」を「量子暗号方式」でやり取りして互いに「交換する」だけでしょ?
システムは大きく、2台の端末とセンターからなる。まずそれぞれの通信システムで量子通信を利用してセンターと暗号鍵を交換する。次にセンターで新しい暗号鍵を生成して、量子通信で取得した暗号鍵を使って新しい暗号鍵を各端末に伝える。端末間で新しい暗号鍵を使って、通信したい情報を暗号化して通信すれば、安全な通信が実現できる。
で、実際の「本文」の「暗号化」には、それとは「別の暗号方式」を使っているわけだから、
「本文」の暗号強度は、その「量子暗号方式」ではない、「別の暗号方式」に依存するんじゃないの?
それでは、「量子暗号方式」の安全性を活かしていない事になると思うんだけど。
この暗号方式が、「量子暗号方式」と同等の暗号強度を持っているのか、非常に疑問なんですが。
ぶっちゃけ、その「本文を暗号化している」「別の暗号方式」の強度がむちゃくちゃ弱かったら、鍵交換にいくら強度のある方式を使っても無意味だと思うわけです。
この方式をもって、「量子暗号方式が実用化へ前進」というのは、何か間違っている気がします。
「本文」を「量子暗号方式」で暗号化をしないと、意味がないと思うんですが。