「自己保身」
目の前の人物は、ただ、それだけのために言葉を発しているとしか、思えなかった。
「そんな事、命じたか?」
いや、命じてないさ。でも、あたしは、命じた事をするだけのロボットじゃないんだぜ?
「いちいち報告しなきゃいけないなんて、お前は俺の上司か?」
違うさ。でも、職務区分上、今のあんただって、あたしの上司じゃないだろ?
耳に聞こえるのは、「俺が何か間違った事をしたか?」という、ただそれを示す言葉のみ。
・・・自然と涙が出てきましたよ。
人は、絶望を目の前にすると、涙が出てくるもんなんですね。
「この人と意思疎通するにはどうしたらいいんだろうか?」
と、そればかり考えましたよ。
己の非を全く認めようとしない、「自己保身の塊」を目の前にして、まだ、その「塊」と意思の疎通を考えるなんて。
・・・あたしも、まだまだお人好しだねぇ(笑)
さぁ、これからどうしようか。
あぁ、今ほど、英語が出来ない事を嘆き哀しむときは無い。
あんな奴のために成果を出すくらいなら、人での足りないところに行って、人助けをする方がいい。
「自己保身」しか考えない奴のために何かするくらいなら、本当に助けが必要なところに行く方がいい。
とりあえず、現行の業務に関して、モチベーションは無くなりました。
何もする気は無い。もう、それだけの成果は出した。もう奴のために出すべきものは出した。
あとは・・・さぁ、どうしようかねぇ・・・。