稼働率100%をねらってはいけない
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そして、このρとは、あなたの着目する機械の稼働率と同じ意味なのだ。ということは、あなたが良かれと思ってやった、設備廃棄による能力削減は、リードタイム(=待ち時間)の増加と、仕掛在庫量の無制限な増大を意味するのである。どうしてこうなるかは、上の文章にも説明したとおりだ。受注のばらつきはプラスにもマイナスにも振れる。だが生産の方は、手待ちの時(受注の間隔が空いたとき)には、目の前に削るべき材料がないから、プラスとマイナスを中和できないのだ。仕掛在庫はマイナスになれない。これがネックになって、変動がプラスの側にのみ蓄積されていく。そして、
「原価を下げるために稼働率を上げろ」 → 「受注量に合わせて生産能力を削減しろ」
という、それ自体を見れば正当に見える指示が、結果として、自社の生産性を著しく損なう結果になるのだ。
ですよねー(´・ω・`)「なんかあの派遣、暇そうだから仕事増やそうぜ」とか言っているのを聞いて、
そして、最初に述べたように、この話は製造業のみならず、人が中心となるサービス業でも全く同じである。受注量に合わせて余剰人員を削減しました。その結果、一人あたりの仕事量は変わらいはずなのに、ひどく生産性が落ちました。そして納期が遅れて、お客の信用を失いました−−こんな事例を、身の回りに見かけたこともあると思う。本当は人も設備も、受注量に対して、ある余裕を持たなければならないのだ。
「彼らは緊急時に100%稼働で対応してくれないと困る位置にいます。緊急時ではない今、常態で100%稼働なんかにしたら、緊急時にどんなことになると思ってんですか!彼を殺す気ですか?」
と怒ったことがある。
この経験とは違う話ではあるけれども、「効率化を目指すと、返って効率が悪くなる」のは事実だったりするのだ。