サッカー名選手館
http://www.geocities.jp/fb_museum/
読むべきは、「ボバン」の項目。
ズボニミール・ボバン
http://www.geocities.jp/fb_museum/GreatPlayer/Croatia/boban.html
泣けるぞ。特にユーゴスラビア内戦のきっかけとなった、「ディナモ・ザグレブvsレッドスター・ベオグラードの悲劇」を知ってる人間にとっては。
あたしは、あの時の行動について、「だが彼はこのことを全く後悔していないと言う。」という記述で涙が溢れ出ました。
その後のクロアチアのフランス・ワールドカップでの初出場にして第3位という快挙は、彼なくしてあり得ない。
こういったメンタリティを持っている/引き継いでいるクロアチアに、ぬるい感情しか持っていない日本が勝てるわけがなかろう。
今回のワールドカップ、ドイツ大会における、クロアチア×オーストラリア戦を見ればわかる。あそこまで泥臭くても勝とうと、勝ち点を得るための努力したのだ。
結果は、より「勝とう」というメンタリティが強かったオーストラリアに引き分け、グループリーグを敗退したわけだが、オーストラリアも同じように、「勝つため」の手段を選ばなかった。だから、クロアチアに引き分けて決勝進出を決めたオーストラリアには決勝トーナメントをがんばってもらいたい。クロアチアを押しのけて決勝にいったのだから、それなりの結果を残してもらわなければ、クロアチアにとっても哀しいことになる。
あたしはクロアチア代表が、四年後、より強く、よりたくましいクロアチア代表となって、ワールドカップに帰ってくることを望んでやまない。
残念ながら、このクロアチアに対する想い以上のモノを、あたしは、今の日本代表には持てないのですよ。
もちろん、普段は日本代表を応援しないわけじゃないけど、クロアチア×日本という対戦カードになれば、間違いなくクロアチアを応援する。
同様に、旧ユーゴスラビア各国(セルビア・モンテネグロ等)や、旧ユーゴスラビア代表であったドラガン・”ピクシー”・ストイコビッチ、旧ユーゴスラビア代表監督だったオシム監督には、気持ちが入りまくりです(笑)
もちろん、ストイコビッチの項目も読んどけ。
ドラガン・ストイコビッチ
http://www.geocities.jp/fb_museum/GreatPlayer/Serbia/stojkovic.html
しかし、なぜ、ピクシーが(ピクシーだけではない。選手としてのジーコ、リネカー、リトバルスキー、ドゥンガらのスーパースターが日本サッカー残したものも多大なものである。)日本に残した遺産が、今の日本サッカー界に全く活かされていないのだろうか。「世界レベルというのはこういうことを言うのだ」と、Jリーグにおいて、日本中にそのテクニックを見せつけ、焼き付かせたピクシーの華麗な、美しいサッカーに、なぜ、日本の選手はそれを手本として、それを目標として、そして、それを追い抜こうと思わないのだろうか。
「ピクシーは別次元」と思って、自分をピクシーレベルに上げようとする努力もしない選手に、どんなレベルアップが期待できるのか。
「今の日本代表選手を責める気はない」と以前書いたが、ここでは敢えて苦言を呈そう。
今大会の「日本代表選手」の態度は、「世界で戦う代表チームの選手」として、あるまじきメンタリティとしか思えない。お前ら、世界レベルの人たちを「別次元」とすることで、自分のレベルを上げない言い訳にしてるだけなんちゃうんか、と。
残念ながら、今回のワールドカップにおいて、今の日本代表において、世界と戦うメンタリティを持っていたのは、中田英くらいからしか感じられなかった。中村俊輔からも、高原からも、当然、他の選手からも感じられなかった。負けた試合後のインタビューで、得点を取ったことを聞かれてにやけているようなFWがいるチームに何が期待できる? そんな選手がいるチームのメンタリティに何が期待できる? 試合時間の90分間を走り続けることもできない、「ワールドカップ出場」をゴールとしてしか見てこなかった選手達に。本来なら、「ワールドカップ出場」は、スタートラインに過ぎない。「出場できたからいい。おめでとう」ではないのだ。もはや日本はワールドカップ出場を望む位置では、出場したことに満足してれば良い位置ではないのだ。「出場して、結果を残す」のが目的なのだ。出れただけで満足しているような選手に、チームに、監督に、ワールドカップのグループリーグ突破など無理なのだ。ワールドカップは、そんな甘い世界ではないのだ。
そんなこともわかってないチームに、感情移入できる理由が、あたしにはない。
まぁ、FWにスーケル、ボクシッチ、そして中盤にボバンがいた98年のフランス大会で、日本が「クロアチアに勝てる」と思っていた時点で間違いなのですよ。世界的なメンバーがそろっていた当時のクロアチアに、初出場の日本が「勝てる」と思える要素が見当たらない。そのくらいレベルの違う相手だったのだから。
最後に、上記URLの”ボバン”の項目から、この一文を引用して終わろうと思う。
ボバンのようなことが言える/考えられる/できる日本人選手が出てきた時、あたしは初めて、心の底から、日本代表を応援することができるだろう。日本人として、生きている間にその日が来ることを望んでやまない。
2001年、ボバンはユニフォームを脱ぐ事を決意する。彼は現役時代にこう言ったという。「私は100人の政治家に出来ない事が出来る。」
100人どころではない。彼はバルカン半島の全ての政治家が集まっても出来なかった事、戦争で疲弊したクロアチア人に再び誇りを抱かせる事に成功したのだ。