やっと届きまして、読んでみた。ユリイカ別冊「オタクvsサブカル」(ISBN:4791701372)。
読む前と読んだ後で、意見が変わった。というか、読む前の「オタク」、「サブカル」の言葉の定義と、この本での定義が明確に違ってたから、同じ流れで話を続けることができなかった。なので、ここからは、読んだ後なので、この中で(あいまいにではあるが)定義されている「オタク」、「サブカル」の用法にのっとって書いていこうと思う。
ま、「読んだ」っていっても、とばしとばしで全部をキッチリと読んだわけではないですが。読みにくい文章だったり、よく分からないことで盛り上がってるところは、さらりと読み流しました。全部についていけるほど、多趣味じゃないんだよ!(笑)
ってか、これ、タイトルが悪すぎだろ(笑)、「オタクvsサブカル」なんて。別にお互い敵対するつもりなんてないのに。
で、読んで思った。定義的には、あたしの場合、「オタク」ではなく「サブカル」に近いんだなぁ、と。知識量も、深さも、ぜんぜん少ないですが。
って〜か、あたしが岡田斗司夫が嫌いな理由がよく分かった(笑) 改めて思う。やっぱり嫌いだ。BSアニメ夜話を見る気がおきない自分を再確認(笑)
「オタク・イズ・ビューティフル」なんて差別主義もいいところじゃん。カーストの上位にいきたいだけで、カースト制度の崩壊は望んでない、みたいな。「虐げられていた『オレ』が、社会的に認められればいい」みたいな気持ち悪さを前から感じてたんだが。この人の私怨からなのか、「vsサブカル」みたいな思想を流したのは。
ってか、この本によると、ここ最近では、「新世紀エヴァンゲリオン」の登場が、それとの関わり方が、その後の流れや考え方を決めた、みたいに書かれてあったんですけど、
・・・ぜんぜん見てないんだよね、あたし。「エヴァ」って。一応、ど真ん中世代っぽいんですが。でも、あたしは、まわりから与えられた知識から類推する程度しか知らん。
あ、マンガのエヴァは読んでます。コミックベースで。コミック通りなら、熱狂する理由がいまいちピンとこない。なんか、マンガとアニメは別物らしいけど。
「エヴァ」を契機に話題にしている人たちからでてくる、西洋魔術、錬金術、カバラ数秘術や聖書にまつわる話、心理学の知識とかに関して、ブームが始まる以前に通り過ぎてた人間だったんだよね、あたしって。死海文書とか、カタリ派、グノーシス思想なんてのはとうに知ってもんだから、「フーン」って感じだった。いまさら感しかなかった。
ってか、「エヴァ」が取り込んで表現していった、いろいろな西洋魔術とかの前述のような知識があるわけですが、それを「エヴァ」以前から知っていた人間が、なんらかの流れでその話題に触れると、「お前、『エヴァ』見てたんじゃん」ってな感じでくくられるのが嫌だった。フロイトとか、ユングあたりの心理学の知識とか。おまえら、普通に心理学、勉強せいと。ユングの「普遍的無意識」なんて、誤解されまくりだったもんなぁ。まともに量子力学も知らないのに、「ディラックの海」の解釈が間違っていることも認めない人もいたし。「でも、ああいう解釈もなりたつでしょう」と。お前アホか、と。なんでも、アニメの方が正しいんか、と。
まぁ、そういう事があっても、「酒の席で大激論」なんてことはせずに、その手の話題は「ふーん」と流すようにしてましたが。
「アニオタ、キモい」って思ったのは、その頃かなぁ。「アニメ」と「現実」の区別がついてない人を見ちゃった、ってのが大きい。「アニメはアニメ、現実は現実」って分けて話せる人とは仲良くできたけど。
加野瀬さんとばるぼらさん対談の中で、ばるぼらさんの、
「サブカルチャーがメインになってしまったら、もう面白くなくなる」
ってのは、よく分かった。ってか、あたし、そのままピッタリあてはまります(笑) だから、あたしは「サブカル」派なのかなぁと思ったくらい。
深夜番組の「あたしぐらいなのかなぁ、これ面白がってるの」という感覚が好きで、それがゴールデンタイムに移動すると、とたんに見なくなるタイプだし(笑) 「マイナー」という稀少価値を好んでた、みたいな(笑)
どこか、マイナーである自分にナルシスティックになっている、っていうか、「みんなが興味を持たないこんなことに興味を持ってるあたしって、スゲェ」みたいな歪んだ優越感に浸ってる感じ(笑)
中学生の時なんて、まわりは、夕焼けニャンニャンとか、チェッカーズとか、とんねるずのオールナイトニッポンとか、そのあたりの話題で盛り上がっているときに、「ベストヒットUSA」とか見てて、海外アーティストの話で友人と二人で盛り上がってたもんなぁ。「ペットショップボーイズ」とか「ピーターガブリエル」の話題で。U2って渋いよなとか、ミッドナイト・オイル、イカす!とか。パンクってスゲぇ!とか。アメリカンロックは軽くてダメだね、とか。(二人とも、ブリティッシュ・ロックが好きだった)。いやな中学生だ(笑)
人と違う事を誇りにしてたというか、少なくとも、そういうものが好きな事に対して、劣等感はなかったなぁ。社会常識的な事は人並みには理解してたつもりだったし。いわゆる「不良」さんに対しても偏見や苦手意識をそんなに持ってなかったから、そっち側に属する友人もそれなりにいたし。逆に、一部からはものすごく嫌われてたみたいですが(笑)
あたしは、まわりに異性がいるのが普通で、そのことに違和感を持っていなかったから、加野瀬さんの言う、
「オタクには0か1しかないんですよ。オタク趣味を一切捨てて女と付き合うか、女と完全に敵対するか」
ということを理解する事ができなかった。自分の趣味の話で、異性と話す事も普通だったし。ってか今でも普通だ。たぶん、そのことも、「オタク」ではなく「サブカル」なのかな、とあたし自身感じた一つの要素かもしれない。
ってか、異性の存在を否定してもしょうがないでしょ。人類の半分を否定してまで、すがらなきゃいけないものがあるとは思えない。すべての異性が自分と敵対するわけじゃないし。
ここでの「オタク」ってのは、単純に、異性に対するルサンチマンを、同性同士でしか共有出来ない趣味にぶつけているんだとしたら、そりゃ、精神的に不健康、ってかどっか歪んでるでしょ、と思いますねぇ。異性、っつっても、いろんな人格をもった個人なわけだから、ひとまとめでくくるのも無茶あるしねぇ。
あ、でも、そんなこと言っておいて、あたし、恋人いない暦=年齢ですけどね(笑) まぁ、それはそういう相手が見つかってないからだ、ってことにしといてください(笑) 自分から見つけようともしてませんが。(相手を見つける気なら、合コンでも見合いでも出会い系でも何でもするだろうし。O-netとかzweiとかに登録してさ(笑) まぁ、そんな気はないし、今は「うつ」の治療でそれどころじゃないし(笑) 一回ぐらいは「見合い」ってのをしてみたいとは思ってるけど(笑))
あと、「サブカル」=「オシャレ」ってのは、幻想だよ。偏見だよ、と。自称「サブカル」は、「オシャレさん」かもしれませんが。
「サブカル」は、どこまでいっても「サブカル」、「カウンターカルチャー」であって、メインを無視しては存在し得ないことを無意識下で知っているから、メインから拒否されない程度の社会性を持っていて、それが外見に多少反映されてるってだけかと。
ってか、メインからズレていることを好んでサブカルになるわけで、そのズレがファッションにいくと、オシャレっぽく見えたりするだけかと。
オシャレな「サブカル」がいる、ってだけで、イコールじゃない。同様に、オシャレな「オタク」だっているだろうに。
ってか、なんで、オタクは、「vsサブカル」なんて敵対心を持つんだ? そういう気持ちが分からないことも、「あぁ、あたしは『サブカル』の方なんだなぁ」と思ったりするわけで。
「サブカル」は前述の通り、「メインを無視出来ない」わけですが、「オタク」ってのは、「メインから離れたところ」に「独自の社会を構築」しちゃうから、メインとは異なる「オタク独自の」社会性が必要だけれど、メインと交わるための社会性は不要、ってか。
・・・そんなことを思ってるオタクは少ないと思いたいけどねぇ。
ってか、「○○はオタク」、「××はサブカル」なんて分類・レッテル張りすること自体、「なんだかなぁ」と思ったり。いいじゃん、単なる個々人の趣味だろ? 趣味が同じな「同好の士」が集まるなんて、自然な事だろ? 囲碁/将棋クラブなんて、お年寄りから小学生までいろんな人が集まってるじゃねぇか。飲み会とかで、同世代の頃の話題で盛り上がるなんて、普通だろ? でも、なんで一部の人たちは、自分達と趣味が共有出来ない人を排斥するのかねぇ。それが理解できん。
趣味なんて、人に迷惑かけなきゃ、人に嫌悪感を与えなきゃ、何したっていいじゃん。まぁ、その「迷惑」や「嫌悪感」が理解できてない人もいるみたいですけど。人を不快にさせる発言や行為をしときながら、陳謝の言葉もない奴、とか。お金の使い過ぎで、家計に不安を与えたりする奴、とか。人の趣味はぞんざいに扱うくせに、自分の趣味が荒らされると、烈火の如く怒る奴、とか。
でも、それはその人の「趣味の問題」じゃなくて、その人の「人間性の問題」じゃんねぇ。「オタク」とか「サブカル」とか関係ねぇよ(笑)
と、ユリイカ別冊を読んで思いましたとさ。・・・感想ってゆ〜か、「自分語り」になってますが(笑)
で、今、「趣味は?」って聞かれたら、
「読書(時代小説)、音楽鑑賞(80〜90年代ヴィジュアル系)、手芸、ケーキ作り」
って答えるかなぁ。この趣味のどこが「サブカル」なんだか(笑)
(しかも、一ヶ月後に聞かれたら、別のモノに変わっていると思う(笑))
あ、この本の中の、堀越英美さんの論考は面白かったです。が、あれに関して感想を書くと、いらぬフレームが起きそうなので、止めておきます(笑)